オジさん NOW

還暦過ぎたオジさんのあれこれ

「ガスが…」

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最近、またガスが腹にひんぱんに溜まるようになった。若い頃から、とにかくガスが腹に溜まって苦しくて仕方なかった。ガスが溜まりやすい体質なのだろう。最初に会社に勤めた20代の頃は仕事が終わってから仲間と頻繁に飲みに行ったのだが、飲みに行くと不思議とますますガスが腹に溜まって苦しくなった。それで、段々と誰にも分からないように、密かに音を出さずに放屁する技を身につけていった。発射音が出ない、消音器の付いた銃「サイレンサー」のようなものだ。

その頃、職場の人達とススキノに飲みに行き、飲み屋から飲み屋に移動するのに道路を歩いていたら、ガスが溜まっていて苦しいので我慢できず、みんなと大声で話しながらコートの中で音を立てないように歩きながらボワッボワッと何十発も放屁していた。すると自分の上司に突然、「お前、さっきから屁たれてるべ!」と言われたので動揺した。後にも先にも自分のサイレンサーの発射がバレたのは、この時だけだった。憧れていた上司だったが、流石だと思った。職場でもトイレや誰もいない階段に行っては、よく放屁していた。

これも20代の頃だが、出張があって室蘭まで1人で行ったことがあった。昼頃に仕事を終えて、近くのビルの最上階にある小さな食堂に入った。自分はカウンターに座ったが客は誰もいなく、調理場も奥になっていて調理人のオバサン1人しかいないようだった。オバサンが注文を聴いてから奥の調理場に戻って行ったので、それまで仕事先でずっと我慢して苦しかったガスを思う存分、「ブブー!ブブブブー!」と大音量で出していたら、ふと人の気配を感じて横の入口を見た。

すると、目を見開いて驚いた顔でこっちを見ていた中年の男性客が1人立っていた。「これはマズイ!」と思って、座っていたイスを前後左右に尻で動かして床とこすり合わせて大きな音を出し、「今のはこの音だ!」とごまかそうと思って何度も何度もイスを動かそうとしたが、いくらやってもビクともしない。とうとうあきらめて鉄パイプで出来ていたイスの下を覗き込んだら、イスの足がコンクリートの床に埋め込まれていた。その後サッサと飯を食べて、逃げるように店を出た。

本屋に行くと、何故かガスが出そうになる。周りをキョロキョロ見渡しながら誰もいないのを確認してなるべく静かに放屁するので、店の監視カメラには万引きの不審者と見られても仕方ない。ただ、次第にこれは自分だけではないと思った。時々、本屋で本を探して歩いていると、突然、プ~ンと臭う場所がある。「俺の前に、ここにいた奴は誰だ? 」と辺りを見渡すが、影も形もない。周りに誰もいない一瞬の隙に放屁し、すぐその場を立ち去るのだろう。そうでなければ、後からそこに来た人にばれてしまうからだ。犯人は男性だけではなく、女性もいるとにらんでいる。 

旅行などで飛行機に長時間乗る時も大変で、気圧の関係でガスが出やすくなるのだろうけど、ビッシリと他人と隣り合った狭い席では放屁するわけには行かず、トイレに行って出すしかない。毎回、トイレに行くわけにも行かず、苦しくて困っていたら「ガズぴた」というガスが出なくなる薬があることが分かり、これを飲むとガスがほとんど出なくなったのでもう大丈夫だ。

家では大便をするのに、二階の自分の部屋から一階のトイレまでずっと「プッ、プッ、プッ、プッ…」と放屁しながら、蒸気機関車のように階段を下りてくることがよくある。よく途切れないものだと、我ながら感心する。最近は歳のせいか、放屁を我慢出来ないことがよくあり、買い物をしている時にも「ブー!」と勝手に出てしまうことがある。最初は焦って周りを見渡し、急いでその場を去っていたが、今はもう慣れてしまって後ろも振り返らず、平然と立ち去るようになった。出てしまったものは、仕方ないと。慣れとは恐ろしいものだ。

自分が小学生の時に、父親と父親の兄弟3人が我が家に集まってあぐらをかいて座り、真剣に仕事の話をしていたことが何度かあった。その内、誰かが尻の片側をクイッと浮かして「ブー!」っとやると、負けじと他の兄弟が続けて「ブー!」とやり、すると他の兄弟もまた「ブー!」とやり、もう「負けてたまるか!」という感じで、部屋中に爆音が飛び交った。お袋がそれを見ていて「すごいね!」と笑っていたが、こんな環境の中で、自分は育った。