オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「群馬・長野・山梨県方面への旅行 その2」

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3日目に泊った「石和温泉」だが、この「石和」が何度聴いても覚えられない。「いさわ」と読むが、これを「何と読むか分かるか?」と友人にメールを出したら、すぐ「いさわ温泉だろ」と返信が来た。何で分かったと再度メールしたら、「だって昔、東京で待ち合わせして、2人で一緒にこの温泉に行ったじゃないか」とのこと。

一生懸命思いだそうとしたが、まったく覚えていない。時々、そういう風にところどころの記憶が消えていることがある。やはり20代の中頃に違う友人と車で、北海道から京都まで行って清水寺を訪れた。初めてここに来たと思っていたのに、水を飲む場所があってヒシャクを口につけて水を一口飲んだ瞬間、突然記憶が甦った。

「俺、高校の修学旅行のとき、ここに来たわ!」。そのときも、ヒシャクで水を飲んだからだ。ちなみに、その友人は高校の時の同級生だったが、喫煙がバレて停学になって、修学旅行には来ていなかった。

最終日に山梨県の「石和温泉」のホテルを出発し、すぐ近くにある宝石店に連れていかれた。「宝石を研磨する技術は世界一」だと言う50歳くらいの、いかにも海千山千の商売人という男性に案内されて、付いていった(連れていかれた)。

最初は、宝石の原石になる石がたくさん飾られた庭園を案内され、その後に磁気だか放射線だか出てるという、黒いネックレスの説明を受けた。そしていよいよ、ショーケースが並んでいて、女性店員が5~6名いる店内に連れ込まれた。

それまで案内してくれた男性が、ショーケースの内側にいる年配の女性店員に、「詳しい説明をして下さい」と言って入れ替わった。そして、女性店員が黒いネックレスの説明を始めて、良い物とそうでない物の見分け方というのを実際に比較して教えてくれて、いよいよ販売だ。

女性店員が「普通は大手デパートなどに13.000円+消費税で卸していますが、特別にお客様達には、消費税込みで12.000円でお分け致します」と言った。すると、少し離れてそれを聴いていた先ほどの男性が、いきなりツアー客をかき分けてやって来た。

大声で「ちょっと待って下さい、〇〇さん!(女性店員の名前)せっかく北海道からわざわざ来て下さっているんです!ここは思い切って、消費税込みの9.500円にしてあげましょうよ!」と言った。

自分と女房は、まさにテレビショッピングを見ているようで、なにか照れ臭さくなって2人とも後ろを向いた。女房が「こんなの、誰も買うわけがないよね」と小声で言っていたら、ツアー客の人達が「オー!」という声を上げて、競って受付に殺到していた。

女房が「爺さん婆さんが、簡単に詐欺で騙される理由が分ったわ」と言った。自分も「そうだなあ…」と言った。しかし、実は自分も女房が一緒にいなければ、あの人達と競うように真っ先に買っていたかもしれない。

というのは、男性店員が「有名な相撲取りがいつも身に付けていて、「徹子の部屋」にもそれを身に付けて出演していた」とか、「体にすごくいい」とか、「大手デパートよりかなり安い」と言っていたので、そんなに、いいものなのかと次第に思うようになった。自分も、詐欺に真っ先に騙される口だろう。                    

今回のツアーは、朝晩はホテルの食事付で昼飯はオプションで別途、添乗員さんに注文してドライブインなどで、セットメニューをみんなと食べるということだった。2つのホテルが、それぞれ朝晩セットメニューで、1つのホテルが朝晩とバイキングだった。

ただ、今回のツアーが格安ツアーなのも一番の理由だとは思うが、平均してどれも美味いという料理がなく、魚料理などはひどかった。確かに群馬、長野、山梨は山なので仕方ないと思うが、それにしても鮮度も悪く、魚の種類も聞いたことがない魚で「信州鱒」とPRしていたのを刺身で食べたが、美味くなかった。

本場であるはずの山菜にしても漬物にしても、どれもそれほどでもなかった。唯一、美味いと思ったのは味噌汁だった。信州味噌が、名産だからなのか。「ほうとう」という鍋料理も出たが、ただ山菜を入れた鍋にうどんとカボチャも入れて食べるのだが、これがこの地方では客人をもてなす料理だというのだから驚いた。       

北海道が、本州の人達から食べ物が美味いと評判なのは、本州の方の食べ物自体がそれほど美味しいものはないからではないか、と女房と話していた。あるとしたら、京都などの懐石料理とか、江戸前寿司とか手が掛かっている高級料理しかないので、一般の人達は北海道に来ると手軽に美味しいものが食べれるから、喜ぶのだろうか。

まだ、日本国内は行っていないところばかりだが、恐らくどこで料理を食べてもそんなような気がする。自分の住んでいるところの良さが分るには、やはり他のところを知らなければならない。それで初めて、自分の住んでいるところの良さも悪さもハッキリと分ってくる。

美味しいというソフトクリームも食べたが、北海道のソフトクリームの方がずっと美味しかった。乳製品も恐らく北海道の方がレベルが高いと思う。だから、北海道の食べ物に憧れてたくさんの観光客が本州からやって来るということが、今回の旅行でよく分かった。                                     

白馬のホテルで、夜8時頃から屋外駐車場で無料の天文ショーがあったので参加した。温度が13℃位だったので浴衣姿は無理らしく、普通の服装の上に持って行った薄手のパーカーを着て行ったが、当初30名ほど居た参加者が寒さのために少しずつホテルに戻っていき、自分と女房も途中で戻った。

ボランティアだという50代くらいの男性が色々と説明してくれて、大きな望遠鏡2台を交替で覗かせてくれた。月はかなり明るく輝いてまぶしく、クレーターまでかなりハッキリと見えた。木星は1円玉より小さいサイズにしか見えなかったが、丸い惑星の中に2本のグレーの線が入っているのが分った。それらを、初めて望遠鏡で見た。

それと、日本の通信衛星の破片が今も地球の周りを猛スピードで周っているのが見えると言われ、実際にその衛星の破片が上空にあるのを見た。結構なスピードで動いていたが、そのスピードがなんと時速28.000キロで、1秒間に3キロとか想像もつかない速さで、今も地球を1日に6周もしているそうだ。想像もつかない。                         

北極星の探し方も教えてくれたのだが、このガイドさん何故かこの時になると急に威張りだして、「北極星がどこにあるのか分かる人は常識人!分らない人は非常識人!」と大声で何度も言う。もちろん参加者の全員が分らないので、みんな苦笑いしていた。

自分は大して気にしていなかったが、後日バスの中でそのときの話が出て、前の席に座っていた高齢の男性が「しかし、あんなことを言われて不愉快だったな!」と言うと、周りの人達も「そうだ、そうだ!」と言い出したので、みんな怒っていたのかと驚いた。                                     

しかし、「まあ、タダなんだから少しくらいは威張らせてやってもいいじゃないか。タダなんだから」と思った。今どき、無料の催し物はなかなかないだろうし、寒い中で、一生懸命やってくれたのだから感謝しなければ。タダなんだから。

画像は左から、上田城の門前、安曇野のわさび農場、善光寺。