2008年に10月11日から10月15日の4泊5日の日程で、「香港・マカオ・深センのツアー」に行った。北京上海に行って、5カ月後だった。これも香港株のトレードもやっていたこともあり、是非見てみたいと思い、前回の「北京と上海の旅」同様に、日本国内のツアーよりも安かったからだ。
新千歳発で、香港空港への直行便なので楽だった。香港空港に飛行機が到着したので、席を立って出口に向かって通路に並んでいると、なんと以前、職場で一緒だった女性事務員のFさん夫婦とバッタリ会って驚いた。同じツアーだった。旦那さんは法務局にいたが、昨年、定年退職になり、嘱託でまだ勤めているとのことだった。
この旦那さんは自分よりも5つ年上だったが、無口で大人しいので最初はほとんど話すことはなかったが、お互いに女房のお下がりの古いデジカメを持っていたりして、女房にしいたげられている同じ境遇などから、少しずつ話すようになり、徐々に打ち解けていった。
香港旅行で印象に残っているのは、朝食に連れて行かれて食べた「おかゆ」だった。「何だこりゃあ!」と、ツアーのみんなも呆れて笑っていたが、食べてみると「何だこりゃあ!美味い!」と、みんな驚いた。後で聴くと、この「おかゆ」はホタテの貝柱を水で戻した出汁を使い、他にも色々と高級食材が使われているそうだ。恐るべし香港(中華?)料理。香港は島だが、海産物も農産物もほとんどは周りの国から輸入しているそうで、豊富だった。
次に驚いたのは、香港は小さな島なので土地が狭いため、とにかく高層ビルが乱立していて、山の上から見下ろすとビッシリと隙間がないくらいビルや家屋が建っていて、すごい眺めだった。夜は、有名だというネオンのようにギンギラギンに電飾されている豪華船で食事をするという船を、バスで見に行った。
その船を、ツアーの人達みんなで離れた陸地から見ている内に、すぐ隣りにある建物の間にあったテニスコートで、ライトを照らして夜間テニスをしている人達に興味が湧いて、みんなそっちの方に行ってしまった。すると現地の添乗員さんが、「あなた達はどこを見てるの?」と言って吹き出したので、みんなも大笑い。観光名所よりも、地元の生活風景の方が面白かった。
翌日はマカオに行って、買うのが大変だという名物の「エッグタルト」の店で、添乗員さんが買って来たのを食べたが、それほど美味いとも思えず、何でこんなのが名物なのかサッパリ分からなかった。それと、あの「フランシスコ・ザビエル」の遺骨がある教会も観てきた。超巨大ホテルの「ヴェネツィアン・ホテル」も観てきたが、ものすごい大きさだった。
次の日は、香港から一番近い中国本土の「深セン」に行った。かなり大きな都市だが、都心以外は田舎だ。まず「大空作物園」という大層な名前の農園に連れて行かれた。たくさんのビニールハウスがあって、入口の前にロケットの模型が飾ってあり、どんなすごい農園かと思っていたが、受付に誰もいなくて添乗員が探しまわった。やっと、農家のオジサン風の人がやって来たが、奥で何か食べていたようだった。そして園内を見たが、普通の農園で特に驚くようなものは何もなかった。
その後、地元のスーパーを見学するということで、下町のようなところでバスから降ろされ、みんなで歩いてそのスーパーに向かった。中国なので、どれほど巨大なスーパーなのかと想像していた。途中で、日本の小さな雑貨屋のようだが、コンビニと呼んでいた店にみんなが入って飲み物を買ったので、自分もそこで飲み物を買った。
3人も人が入ったら満杯で、すれ違って歩くことも出来ないほど狭かった。すると、皆がそのままバスに戻って行ったので、スーパーの見学は一体どうなったのかと不思議に思い、女房にスーパーはどうなったんだと聴くと「あのコンビニが、スーパーだよ」と言う。「あ、あれが…」。
というようなことで、香港や中国はなにか得体が知れず、面白いことがたくさんあった。香港自体は、国際的な都市という感じだった。前回の中国とは対照的で、狭い土地に隙間なく建っているビルの中にはギュッと、たくさんの人や何かが詰まっているような感じがした。