2008年の5月7日から5月11日の4泊5日で、北京と上海を巡るツアーに行った。イタリア旅行の翌年だったが、今度は中国株のトレードをやっていたこともあって、中国はどうなっているのかと実際に見てみたいと思った。旅行代金もかなり安く、本州に旅行に行くよりも安かった。
新千歳空港からまず上海空港に行き、そこで5時間も待って北京空港に向かったが、あまりにも長くてイヤになった。夕飯は上海空港で尋ねた中国人らしい人が教えてくれたが、日本食店だった。本当は中華料理を食べたかったが、わざわざ日本食の店の前まで案内してくれたので、仕方なく食べた。
そうして北京空港に到着したが、その時に恐怖体験をした。待っていた若い男性の現地添乗員に車のところまで連れて行かれたが、それが暗くて広い、怪しい地下を延々と歩き続けて行く。段々と不安になり「もしかしたら、このまま殺られるかもしれない」と思った。女房も、同じことを思っていたそうだ。それくらい怖かった。そのうち、マイクロバスが待っているところに着いて、何ごともなくホテルに無事に着き、ホッとした。
ところでこのマイクロバスの運転手さんは、我々夫婦と同ツアーの日本の中年女性2名の計4人を乗せて観光で移動している時に、平気で隣の車の運転手と窓を開けて、大声で喧嘩していた。我々のことは眼中に無いようだった。添乗員の男性は以前日本の九州の大学で学んでいたらしく、同じ中国人として恥ずかしいというような顔をしていた。
2つのホテルに泊まったが、両方共、呆れてしまうほどの超デラックスな部屋だった。このツアーは「ホテルと食事にこだわる 北京・上海 5日間」というだけあって、特にホテルはすごくて、まさかこんな豪華な部屋に泊まれるとは思いもしなかった。
部屋は広いし、大きな窓からの眺めは素晴らしく、設備も何から何まですごくて驚きだらけだった。この部屋の大きな窓から目の前に「黄浦江」という大きな川が見えて、そこを商船が行き来しているのが見えた。実に素晴らしい眺めで、いつまでもずっと眺めていた。
ただ、同じツアーで一緒だった建築屋の社長の奥さんは「風呂のタイルの間のコーキングなどの仕事が雑で隙間があるし、日本ではこんなことはまずない」と言ってた。確かに細部を見ると、どれも雑だった。ロビーもエントランスも何もかもが馬鹿みたいにだだっ広く、そこにでかい木材がドンと横に倒して置いてあったりする。これが中国なんだと納得した。「大きいことは、いいことだ」ということらしい。
旅行の帰りに、近代的な建物と言われている上海空港で、建築屋の奥さんが 「なにが近代的だあ~!」と大きな声でゲラゲラ笑って、トイレから出てきた。使用後に、尻を拭いた紙を便器のそばにあるゴミ箱に入れるようになっており、それをトイレに常駐している担当のオバサンが火バサミのようなもので、その紙を次々とゴミ袋に入れているというのだ。「どこが近代的なんだあ~!」と何度も言って、大笑いしていた。
ところでこの奥さん、大雑把な人で愛されるオバサンだったが、マイクロバスの中で「すかしっ屁」をしたときは、ちょうど後ろにいた自分は、あまりの臭さに倒れそうになった。この奥さん、そんな自分をチラッと振り返って、笑いをこらえていた。とんでもないオバサンだった。
北京では天安門広場と故宮を見たが、とにかくスケールが大きく、人口が日本の10倍で、面積などは日本の25倍もあるからなのだろう。上海では、「豫園」という賑わっていた商店街を歩いて観てきた。スターバックスがあって、飲み物を頼んで飲んだ。他にも外人がたくさんいた。上海は国際都市なんだと思った。
この時の旅行で一番感激したのは、ホテルの豪華さと、そこからの眺めだった。確かに、ビルの建設ラッシュで大きな建物がすごく多くて、札幌どころではないと思ったが、ただ外観はそうだが中身の方はどうなのだろうかと思っていた。今は、あれからもう10年経っているので、もっと中身の方も充実していると思うのだが。