オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「たいそうな名前の病気、原発アルドステロン症」

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NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」に、2度救われた話を前回書いた。腱板断裂手術の2年前の、2011年の話になる。30歳頃からずっと高血圧の薬を飲んで治療をしていたのだが、50歳過ぎ頃からは薬を飲んでいてもなかなか血圧が下がらず、薬の量もかなり増えて行ったので疑問に思うようになった。

その時に通っていた病院は個人病院で、先生の親類が隣りの院外薬局をやっていたこともあり、ちょっとしたことでもすぐ先生が「薬を出しておきます!」と言って薬を出すので、薬の山になっていたこともあって不信感も募って行くのをやめて、札幌市内の大きな病院に通うことにした。

丁度その時に、NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」で、「高血圧で薬を飲んでいてもなかなか血圧が下がらない人がいるが、それは副腎からホルモンが出過ぎているのが原因の場合があるので、病院で調べてもらった方がいい」というのをやっていた。

それで新たに通った病院の先生にその検査もやってもらえますかと言うと、まずは簡単な血液検査で分かるというのでやってもらった。その後、1ヶ月してからまた病院に行った時に先生に、「そういえば、あの検査はどうなりましたか?まあ、何ともないとは思うんですが」と聴くと、先生はすっかり検査のことを忘れていたようだった。

急いで、検査結果をパソコンの画面で見た先生が「いや、何ともなくないですねえ」と言う。数値的には副腎ホルモン異常の疑いがあるが、ハッキリと分かるにはカテーテル検査で検査入院をしなければならないと言うので、すぐ予約をした。 

その後、検査入院でハッキリと副腎ホルモンの異常が分かり、その病名は「原発性アルドステロン症」という、たいそうな名前だった。当初は、担当の先生はこれは投薬で治ると言っていたのだが、数日してからその上の部長という先生が来て「色々な先生達と相談した結果、これは腹腔鏡手術をして、片方の副腎を取った方がいいということになった」と言う。

それまで、担当の先生は投薬だけで治るとずっと言っていたので、驚きと同時に何か割り切れないものを感じ、夜中もずっと病院のベッドの中で、眠れず考えていた。そして翌日、思い切ってセカンドオピニオンを受けようと決めて、部長にそのことを話した。

同じ札幌市内にある更に大きな総合病院に、今までの検査データと紹介状を書いてもらうことになった。予想通り、部長は怪訝な顔をして「これは私たちの見解で、向こうでは違う診断をするかもしれませんからね」と何度も言った。

そして、セカンドオピニオンの病院に行き、再度診てもらったら「原発アルドステロン症は、手術をしても効果がほとんどないことが分かっているので、手術は必要ないです。投薬で治りますよ」と簡単に言う。驚いて「前の病院では、手術をした方がいいと言われたんですが」と言うと、先生は驚いた顔をして「でも紹介状にも、手術は必要なく、投薬で治療すると書いてありますよ」と言うので唖然とした。

そんなことがあるのだろうかと、信じられない気持ちだった。その後、色々と考えてみたが、当時は腹腔鏡手術が盛んな時で、調べてみると前の病院では副腎の腹腔鏡手術の実績がなかった。それで、副腎の腹腔鏡手術の実績を付けるために、手術してみようということだったのかもしれないと思った。もしそうなら、ひどい話だ。

それ以来、セカンドオピニオンの病院に事情を話し、紹介してもらった地元の病院で原発アルドステロン症の薬をもらい、朝2錠と高血圧の薬も朝2錠飲むだけになった。それまでは何種類もある山ほどの高血圧の薬を朝晩と飲んでいたのに、たったそれだけで服用してすぐ血圧が下がって、それ以来ずっと正常値だ。

自分が病院の言うことを100%信用できなくなったのは、こんな出来事がたくさんあったからだ。だから、ほとんどの場合は病院の先生の言うことに従うが、それでも全てを鵜呑みにするのではなく、自分の病気に対する知識を自分で詳しく調べておこうと思うようになった。

「医者を選ぶも寿命のうち」という言葉もあるが、その病気の医者についても、病院についても、かなり詳しく調べるようになった。ということで、この2年後の左肩腱板断裂の時も、NHKの「ためしてガッテン」様に救われた。ありがとうございました。<(_ _)>